タイでは、医療物流(離島・遠隔地への医薬品配送)郵便(Thailand Postによる医薬品配送)、**首都圏での都市型ドローン配送(UTM×5Gの統合実証)**の3系統で事例が確認できる。


医療物流:離島への医薬品配送(サトゥーン県・海上12km)

Skyports Drone Servicesの医療ドローン配送デモ(2023年6月)

Skyports Drone Servicesは、タイ保健省(Ministry of Public Health)向けに医療ドローン配送のデモを実施し、CAAT(タイ民間航空局)からBVLOS(目視外飛行)許可を取得した上で行ったとしている。サトゥーン病院近くから約12kmを飛行し、従来55分(車+フェリー)→7分未満へ短縮した。

項目詳細
発着・ルートRatchakit Prakan Stadium(サトゥーン病院隣接)→ Puyu Health Centre 近くの着陸地点
ペイロード医療サンプル 3kg
所要時間7分未満(従来は約55分)
位置づけ遠隔地医療アクセス改善の実証(Medical UAV Committee向け)

現地報道:海上ルートでワクチン配送+血液回収(2023年6月)

サトゥーン県で、ドローンが海上12kmを飛行して破傷風ワクチンを離島(Koh Puyu)へ配送し、帰路で血液を搬送したと報じられている。

項目詳細
機体Skyports Swoop Aeroの Swoop Kookaburra Mark 3(17kg)
最大搭載3kg
最高速度68km/h
連続飛行68分
その他降雨下運用(一定条件)に対応、CAAT・NBTC承認

同内容はニュースサイトThe Thaigerでも、初の「海を渡る医療ドローン」としてまとめられている。

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郵便物流:Thailand Postによる医薬品ドローン配送の試験(2021年)

Thailand Postが、到達困難地域の患者向けに医薬品をドローンで配送する試験を開始したと報じられている。Sing Buri Technical Collegeで、約500mの距離を医薬品の荷物を積んだドローンで飛行した。洪水の影響を受けやすい地域での代替配送手段として位置付けられている。

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都市型ドローン物流:バンコクでの「UTM×5G」統合実証(2025年)

High Lander Aviation × NT × CAAT:バンコク大規模デモ

タイのNational Telecom(NT)、CAAT、High Landerが、バンコクでUTM(無人機運航管理)と5Gネットワークを統合し、複数機運航・配送を行うデモを実施した。医療品・農産物・消費財など多数の配送に言及がある。

項目詳細
UTMHigh Landerの Vega UTM
通信NTの5Gと統合し、テレメトリ監視、飛行許可、衝突回避(デコンフリクト)などを支援
輸送品医療品・農産物・消費財等

Dronelife側の記事も、同イベントの趣旨(多数の配送、参加企業、AED配送など)を詳述している。

航空当局側の制度・計画:都市部配送を見据えた取り組み

CAATがWangchan Valley(ラヨーン県)のUAS Regulatory Sandboxを紹介し、UAS Portal(登録システム)や、都市部配送ドローンの推進方針(2025年に向けた記述)、バンコクでの試験計画にThailand PostやNT等が関与している旨が報告されている。

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実証の受け皿:規制サンドボックス(EECi)

EECi(Eastern Economic Corridor of Innovation)のページでは、UAV関連のRegulatory Sandboxとして、UTM、5Gカバレッジ、CAAT・NBTCにより認可されたサンドボックス等の設備例が挙げられている。都市型物流・将来のAAM(先進航空モビリティ)を含む実証の土台として重要な要素である。

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モンゴル事例との比較

観点タイモンゴル
特徴的なユースケース離島・遠隔医療(海上ルート)と都市部(バンコク)のUTM×5Gによる多数機運航の二極で進展首都の渋滞×医療(血液)から定期運航→郵便→フードへと段階拡張
制度面Regulatory Sandbox(Wangchan Valley / EECi)が明確、都市部配送を前提とした国家的な空域デジタル基盤(UTM)の整備が前面MSDDの商用ライセンス取得、運用実績の積み上げによる段階的展開

参考リンク一覧

医療物流(離島・遠隔地)

郵便物流

都市型ドローン物流(UTM×5G統合実証)

規制サンドボックス