はじめに
ドローンの遠隔操作やデータ伝送を支える通信技術は、安全な運用の要です。本記事では、ドローンで使用される各種通信技術を比較解説します。
通信方式の種類
1. 直接無線通信(RC通信)
従来からある最も基本的な通信方式です。
主な周波数帯
| 周波数帯 | 特徴 |
|---|---|
| 2.4 GHz | 汎用的、混信リスクあり |
| 5.8 GHz | 高速だが距離短い |
| 900 MHz | 長距離、障害物に強い |
通信距離: 数百m〜数km
2. 4G/LTE通信
携帯電話網を利用した通信方式。目視外飛行(BVLOS)に適しています。
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通信距離 | 基地局カバー範囲内で無制限 |
| 遅延 | 50-100ms |
| 帯域幅 | 10-50 Mbps |
| 月額費用 | 1,000-5,000円程度 |
メリット
- 広範囲をカバー
- 既存インフラを活用
- リアルタイム映像伝送が可能
デメリット
- 通信圏外では使用不可
- 通信遅延がある
- 月額費用が発生
3. 5G通信
次世代の高速・低遅延通信。ドローンの高度な自律飛行を実現します。
特徴
| 項目 | 4G | 5G |
|---|---|---|
| 遅延 | 50-100ms | 1-10ms |
| 帯域幅 | 10-50 Mbps | 100 Mbps-1 Gbps |
| 同時接続 | 10万台/km² | 100万台/km² |
活用事例
- リアルタイム4K映像伝送
- 複数ドローンの協調制御
- AI画像解析のクラウド処理
4. 衛星通信
山間部や海上など、地上通信網がない場所での運用に使用されます。
主なサービス
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| Starlink | 低遅延、グローバルカバー |
| Iridium | 老舗、高信頼性 |
| Inmarsat | 海上・航空向け |
特徴
- 通信距離: 地球上どこでも
- 遅延: 20-600ms(軌道による)
- コスト: 高額(月額数万円〜)
5. メッシュネットワーク
複数のドローンが相互に通信し、ネットワークを形成する方式です。
特徴
- 1台が中継局となり通信範囲を拡大
- 1台が故障しても他がカバー
- 群制御(スウォーム)に最適
通信方式の選び方
| 用途 | 推奨通信方式 |
|---|---|
| 目視内飛行(趣味) | 2.4GHz RC |
| 目視外飛行(都市部) | 4G/LTE |
| リアルタイム高精細映像 | 5G |
| 山間部・海上 | 衛星通信 |
| 複数機協調 | メッシュ + 4G/5G |
日本の規制
携帯電話網利用の条件
- 上空での利用には携帯キャリアとの契約が必要
- 技適マークのある機器のみ使用可能
- 総務省への届出が必要な場合あり
今後の展望
- 5Gエリアの拡大による目視外飛行の普及
- 衛星通信の低コスト化(Starlink等)
- AI連携によるリアルタイム判断の高度化
