はじめに

ドローンの飛行時間と性能を左右する最も重要な要素がバッテリーです。本記事では、現在主流の技術から次世代技術まで、ドローン用バッテリーを比較解説します。


現在主流のバッテリー技術

リチウムポリマー(LiPo)バッテリー

現在のドローンで最も広く使用されているバッテリー技術です。

特徴

項目内容
エネルギー密度150-200 Wh/kg
充電サイクル300-500回
充電時間1-2時間
コスト低〜中

メリット

  • 高い放電率(ハイパワー出力が可能)
  • 軽量で形状の自由度が高い
  • 価格が比較的安価

デメリット

  • 発火・膨張のリスク
  • 寿命が比較的短い
  • 温度管理が必要

リチウムイオン(Li-ion)バッテリー

長時間飛行が必要な産業用ドローンで採用が増えています。

特徴

項目内容
エネルギー密度200-260 Wh/kg
充電サイクル500-1000回
充電時間2-3時間
コスト

次世代バッテリー技術

全固体電池

電解質を固体にすることで安全性と性能を両立する次世代技術です。

期待される性能

  • エネルギー密度: 400-500 Wh/kg(理論値)
  • 発火リスクの大幅低減
  • 急速充電対応
  • 長寿命(1000サイクル以上)

開発状況

企業状況
トヨタ2027-2028年実用化目標
サムスンSDI試作品開発中
QuantumScape自動車向け先行

水素燃料電池

長時間飛行が必要な用途で注目されています。

特徴

項目内容
エネルギー密度500-1000 Wh/kg
飛行時間2-4時間(LiPoの2-3倍)
充填時間数分
コスト

採用事例

  • Doosan Mobility Innovation(韓国)
  • Intelligent Energy(英国)
  • HES Energy Systems(シンガポール)

バッテリー選択のポイント

用途別推奨

用途推奨バッテリー理由
ホビー・空撮LiPoコストと性能のバランス
点検・測量Li-ion / LiPo安定性と飛行時間
長距離物流水素燃料電池長時間飛行が必須
農業散布Li-ion繰り返し使用の耐久性

今後の展望

  • 2025-2027年: 高密度Li-ionの普及拡大
  • 2027-2030年: 全固体電池の実用化開始
  • 2030年以降: 水素燃料電池の低コスト化

バッテリー技術の進化により、ドローンの飛行時間は今後5年で2倍以上になると予測されています。